施設長挨拶

はさま徳洲苑 施設長 吉田 操

はさま徳洲苑 施設長

吉田 操

今回のホームページのリニューアルを機会に、当苑が実施して参りました新型コロナ対策を報告し、関係の皆様から頂きましたご協力に対する御礼を申しあげます。

2年前の9月中旬に施設長に就任しましたが、大晦日近くに中国で大規模な感染症発生の噂が聞こえてきました。年が明けると、中国の大都市武漢に発生した感染症の状況が、刻々と報告されてくるようになりました。
この感染症は中国との往来が盛んな国々に伝搬し、ついに国連のWHOが「パンデミック」を宣言する事態となりました。ヨーロッパ、アメリカで猛威をふるい、多くの方が肺炎になり、少なからずの方が急速に重篤になりました。高齢者、中でも基礎疾患のある方の死亡率が極めて高い事が報告されました。医療システムの整備されている先進国が次々に医療崩壊をきたし、高齢者をどう守るかが第一の課題になった事はご承知の通りです。新型コロナ肺炎には有効な治療法は存在せず、ひたすら残された身体機能を維持して回復を待つだけでした。
私たちが積極的に出来る事は予防だけと判明しました。治療薬やワクチンの開発、標準的な治療法の確立までには、かなり長い時間を覚悟しましたが、何とか逃げ切る事を目標にしました。

外からの病原体の侵入を防止して、高齢のご利用者を感染から守るために面会を中止しました。職員とその家族、事業遂行に協力を頂いている業者の皆さんにも感染予防策の励行をお願いしました。永い間お世話になっておりました、ボランティアの皆様にも当面の活動を中断して頂きました。

施設内では「三密」の防止を基本としました。これに加えて皆が触るテーブル、椅子、手すり、ドアノブ、スイッチ、便器その他を繰り返し消毒する共に全館の換気を徹底して実行しました。又、各階の入所者、職員の混ざる機会を極力減らしました。隣接する有料老人ホームとの行き来を中止しました。手洗いの徹底やマスク、ゴーグル、手袋の装着を全職員が励行しました。ユニホームの数を増やし、毎日新しいものを使用しました。感染を持ち込まない、持ち帰らないためです。
定期的にPCR検査や抗原検査ができるようになってからは、全職員は毎週検査を受けて陰性を確認しています。更に、感染者が実際に発生した場合を想定して、対応策を立て、繰り返し訓練して策を改良して、必要物品を備蓄しています。

入所者と職員のワクチン接種を無事終了し、第四波を今迎えています。この間に隣接の「有料老人ホームはさま」で感染者一名を経験しましたが、他に感染者の続く事は無く、一ヶ月で収束しました。

「介護老人保健施設 はさま徳洲苑」においては、これまで感染者の発生はありませんが、努力を緩めること無く収束まで行き着きたいと強く念願しております。これらの対策にはプラスの面とマイナスの面があります。マイナスを出来るだけ小さくする努力と工夫を続けております。

ご家族をはじめ関係者の皆様には、ご協力を頂きはじめてから2年になろうとしております。これまでのご理解とご協力にお礼申しあげると共に、今しばらくのご辛抱を心よりお願い申しあげます。 皆様のご健勝を祈念致します。

令和3年8月